日本-サウジ間テレビ学生会議

「交流は発展を約束するものです!」。それは先日行われたサウディアラビア・日本人 学生代表によるテレビ会議の際、メッカ州知事およびサウディ・サイエンス・クラブ会 長アブドルマジード・ビン・アブドルアジーズ殿下が仰った言葉だった。

サテライトによる通信技術が向上したことから、様々な分野での利用が可能となってい る。その発達により、王国だけではなく、全世界の先進国において教育分野で目覚しい 発展があると考えられる。この技術を利用して、サウディアラビアのサイエンス・クラ ブ代表と日本人学生との間で、広く文化の対話を行い、学生同士が協力する活動の場を もち、両国間の友好、協力の絆を強めようとする企画である。

両国で学生代表を選ぶ段階から、衛星通信のテスト会議を行う段階にくるまで、けして 簡単なプロセスではなかった。サウディ・サイエンス・クラブ、日本国外務省、イマー ム大学付属、アラブ イスラーム学院(東京)、日本サウディアラビア協会、在サウデ ィアラビア日本大使館 、在日本サウディアラビア大使館、マリク・ファイサル病院科 学センタという機関や組織が一つになって、力をあわせて、実現できたプロジクトであ る。

当日、メッカ州知事アブドルマジード・ビン・アブドルアジーズ殿下、スルタン・ビン ・サルマン殿下、河野雄平元外務大臣、モハンマド・アルラシード文部大臣および多く のアラブ諸国の大使がたに連席をして頂き、ジェッダ、東京、リヤードの間にテレビ会 議が開催された。

90分間にわたって、両国の学生がさまざまなテーマについて話合いをした。

アブドルアジーズ大王による王国建国の歴史、サウディ文化の発展、日本の工業化成功 、日本の歴史、サウディの産業発展の実像、日本のロボットの最新技術の紹介、両国学 生の将来的、文化交流、関係強化の方法についての議論が続いていた。その中で、ぜひ お互いの国を訪問し、直接話しをしたいと学生がたが希望を出した。それに対して、テ レビ会議の最後に、日本学生代表の皆さんがアブドルマジード殿下により、サウディア ラビアに招待されたのである。その話を聞いた両国の学生がたの表情は言葉で表せない ほど嬉しそうだった。

もちろん、アラブ世界ではこのように教育や文化交流を目的としたテレビ会議が開催さ れたのがはじめてのことだったので、非常に注目を集め、サウディアラビアテレビでは 一部の話が放送され、新聞やメディアでは大きく取り上げられた。

このテレビ会議や日本学生代表によるサウディアラビアへの訪問が成功したことを背景 に、サウディ・サイエンス・クラブがこれからもこのような学生交流イベントを他の国 々と進める方針である。

それがこのテレビ会議のプロジクト・マネジャーを勤めていた私にとって、とても意味 深いことである。なぜかと言えば、交流は発展と平和を約束するものだから。今の混乱 な状況の中でも、平和な世界への道が少しでも見えた気がする。

ブカーリ イサム
テレビ会議プロジクト・マネジャー
早稲田大学理工学部 経営システム工学科

※この原稿は日本サウジアラビア協会報「sadaqah」2003年三月号に掲載したものです