サウディアラビアの経済 実態と数字

サウディアラビア王国の経済は、商業、工業、電気、石油、農業、土木建設、銀行などの分野の発展にともない、大きく前進しました。

1970年に始まった5ヵ年開発計画ではインフラ関連事業とサービス関連事業の強化、経済基盤拡大のための国の資源開発、国家収入源の多様化、公共・民間両部門の経済力の強化、サウディ経済に占める民間部門の経済力の強化、労働力と人材の開発、雇用機会の拡大、政府、民間両部門の投資指導などが重点目標として盛り込まれました。

サウディアラビア王国政府は、国家経済の生産基盤の拡大、民間部門に対するインセンティブの供与、サウディアラビア通貨の安定化などのために努力を重ねています。

この方向に沿って最高経済会議が設立され、最高石油会議が再編され、新外国資本投資法が発布され、さらには、投資庁が設立され、内閣が外国人観光客へのビザ給付規則と最高観光庁設立の決定を出すなど、活発な動きが見られます。

民間部門のサウディ経済への寄与を増大させるために取られた政策は下記の通りです。

  1. 商業的な要素が強い政府の経済活動部門の所有権と経営の民間部門への移転が検討されます。民営化政策の最終結果が国家と民間部門のいずれにとっても肯定的なものでなくてはなりません。民営化での成功例として、1976年に設立されたサウディ基礎産業公社(SABIC)があります。同社の株は市場公開され、サウディアラビア国民と湾岸協力会議(GCC)の国民にその25%まで売却されました。この路線に沿ってサウディアラビアの通信部門が民営化され、株が一般公開されました。港湾サービス部門の一部も、経営と操業が民営化されました。
  2. 大資本の株式会社設立の奨励。
  3. 外国資本による国内投資の促進。政府は、大手石油会社に対してガス開発部門への投資を呼びかけ、これら会社の提案を検討する閣僚委員会を設けました。
  4. 学校建設、その他政府プロジェクトにおける民間資本の利用拡大。
  5. 関連政府期間と国内各地の商工会議所が調整しながら、小規模企業の支援をおこないます。

飛躍的発展

世界は、数年来、深刻な経済不況に見舞われてきました。それにもかかわらず、サウディアラビア経済は、飛躍的な発展を実現しました。下記の数字は、そのようなサウディアラビア経済の実態を反映しています。

  1.  サウディアラビア経済の発展は、国内総生産の目にみえる伸び率を見ればよくわかります。統計局の推計では、1999年の経済成長率は名目で8.44パーセントに達し、1999年(イスラム暦1419-1420年)末の国内総生産は、前年の4,808億リヤールから5,213億リヤールに増大しました。
  2.  民間部門の国内総生産に占める割合は名目で38パーセント、実質で48パーセントに達しました。民間部門は好転し、多くが利益を回復しました。工業部門では、約6.3パーセントの成長率を達成しました。
  3.  1999年の生計費指数は前年に比べ、1.2パーセント減少しました。この数字は国内市場での物価の安定を反映するものです。
  4.  対外貿易収支の赤字幅は、1999年、前年比70.3パーセント減となり、1998年の492億リヤールから146億リヤールへと減少しました。これは1999年下半期の原油価格の上昇によるものです。原油以外の輸出は1.6パーセント増加し、238億リヤールでした。一方、輸入は、1.2パーセントの減少で1,028億リヤールでした。ちなみに、1996年は、1,040億リヤールでした。
  5.  サウディの輸出相手国は、世界120カ国余となりました。
  6.  王国内の工場数は3,190、資金調達総額は2,320億リヤールに達しました。就労労働者総数は29万3,700人です。この数字は、1999年(イスラム暦1420年)の第一四半期末のものです。
  7.  ジュベイルとヤンブーの両工業都市の計画立案と社会基盤整備は、1975年に設立された王立委員会が管轄しました。これらの他に、8つの都市の工業化計画が進められています。リヤード、ジェッダ、ダンマーム、カシーム、アフサー、マッカには、十分な施設とサービスがあります。工業・電力省は、この他に王国内の新しい工業都市計画を発表しました。

労働人口は700万に達しましたが、その内、250万がサウディアラビア国籍の労働者です。

 農業部門

サウディアラビア王国の農業部門は、重要な生産部門の一つとして、国家経済に重要な役割を担っています。王国が実施している政策と開発計画により、農業、総合的発展を達成することができ、食料の自給自足が主要穀物生産において達成されました。とりわけ、小麦、ナツメヤシの実、野菜、果物、畜産では酪農製品、鶏卵、鶏肉などの自給自足が達成されました。魚やエビ、そして余剰生産物は、国際市場へ輸出されています。

下記の数字は王国の農業部門の発展を示しています。

  1.  耕地面積は、1980年には60万ヘクタールだったものが、1992年には160万ヘクタールに拡大しました。
  2. 290万ヘクタールの未墾農地が農家や農業事業会社に分配されました。11万128人がこの分配制度を利用しました。1968年(イスラム暦1388年)に公布された「未墾農地法」により、1998年末までに69万2,900ヘクタールの未墾農地が分配されました。
  3. 王国は、1962年、農業銀行を設立しました。同銀行は、農業と畜産に携わる農家や農業事業家に融資をおこなっています。融資額は、1997年末現在、295億リヤール余で、3,132件を越える野菜、果物、酪農製品、畜産などの農業投資計画に利用されました。農業銀行は、農業生産活動に必要な農業機械の購入資金を援助しています。1973年の営業開始から1997年末までの融資額は、109億リヤールを越えており、こうして政府は灌漑設備費の50パーセント、農業器具や肥料の購入費の45パーセントを補助しています。
  4. サイロ・製粉公団は、10の生産物集積所を王国内の農業地区に建設し、穀物貯蔵、製粉、飼料生産などをおこなっています。貯蔵能力は238万トン、製粉能力は160万トンに達しています。
  5. 王国は、1985年、小麦の自給自足を達成し、1986年から国際市場へ輸出を始めました。1992年、小麦生産は、420万トン余で、最高に達しました。しかし、水資源の消費量削減指導と地下水保全の観点から、生産を段階的に削減し、自給自足に必要な量まで生産量は減少しました。その結果、1995年5月の輸出を最後に小麦の輸出は幕を閉じました。大麦についても同様の措置が取られました。1994年の生産量182万トンをピークに、1996年には46万4,000トンにまで減少しました。
  6. 王国の野菜生産は、1998年、約270万トンでした。果物は120万トンを越え、そのうち64万8,000トンはナツメヤシの実でした。
  7. 酪農製品の生産は、88万3,000トン、鶏卵は25億個に達しました。鶏肉は45万1,000トン、赤肉は15万7,000トン、漁獲高は5万5,000トンに達しました。
  8. 1969-1996年の期間の農業部門の平均成長率は、8.4パーセントで、1998年の国内総生産に同部門が占めた額は340億リヤールでした。

石油部門

サウディアラビア経済において石油は大きな役割を担っていますが、政府は、当初から、国家収入源に石油が占める比率が高すぎることが望ましくないことを十分承知していました。このため、他の収入源の開発を積極的に追及し、国内総生産に占める石油部門の割合を36パーセントにまで減少させました。

サウディアラムコ社は、世界でも最大手の石油会社です。同社は、石油の調査、探鉱、採掘、精製、販売をおこなっています。近年、新たな油田が中部地域で発見された結果、王国の石油・ガスの埋蔵量が世界全体に占める比率は、25パーセントにまで増大しました。王国の原油生産量は、1日当り800万バーレルです。9つの精製所が国内の石油製品の需要を満たし、1日当り180万バーレルを生産しています。

 鉱工業部門

鉱脈の調査と探査の努力が重ねられた結果、数多くの豊な鉱物資源の鉱脈が発見されました。石油・鉱物資源省は、花崗岩、大理石、石灰岩、砂岩、方解石などの開発に関する841の許可証を交付しました。また、石灰、金、その他の鉱物や工業用鉱物などには、17の採掘許可証を交付しました。さらに、15の鉱物発掘免許と26の鉱物調査許可証を交付しました。

金については、マハド・ザハブとサヒーバラートの両鉱山の生産高が年間15万オンスを越えています。サウディアラビア鉱業社(マアーディン)が、1997年、勅令により株式会社として設立されました。資本金40億リヤールで、王国の鉱物資源開発にあたります。同社にはマハド・ザハブ・プロジェクトとサウディ貴金属社があり、カシーム州のサヒーバラート鉱山区で金の生産をおこなうとともに、その他の鉱物資源の開発にあたっています。事業は、単独、サウディ民間部門との合弁、外国資本との合弁などの形態で進められています。鉱工業部門はサウディ経済にとっても重要な部門であり、その事業は、現在、各種のプロジェクトや会社を通じて展開されています。セメント、石膏、大理石などの会社があり、様々な鉱物資源を生産しています。鉱工業部門の年間成長率は9パーセントで、その生産額は、国内総生産の4パーセントを占めています。

 銀行部門

10の商業銀行が王国各地の1,194の支店を通じて金融サービスをおこなっています。銀行は、サウディアラビア通貨庁(SAMA)による監督の下、王国の民間部門サービスと株式会社の株取引を行ってきましたし、現在もおこなっています。銀行は投資意欲に満ちた経済活動を背景として事業を展開していますが、同時にサウディ・リヤールの安定にも貢献しています。王国の銀行は、世界の銀行の中でもATM導入や株取引においてきわめて洗練された銀行業務を展開しています。ATMの設置数は、1,942、カード利用者数は、450万人強に達しています。

1998年の銀行活動報告書から、銀行の多岐にわたる営業分野における健全度を読み取ることができます。1998年の貸付総額は、1,609億リヤールで、前年比24パーセント増加し、また預金額は、約2,765億リヤールで、前年比7.1パーセント増でした。1998年の銀行部門の純利益は、72億8,000万リヤールに達しました。ちなみに、前年の1997年は66億リヤールでした。

銀行は、財務基盤を強化するため、努力を続けています。資本金と資本準備金の増額が1999年の1月から10月の期間におこなわれ、1999年10月末の時点で4.7パーセント増加し、金額で421億リヤールに達しました。これによって自己資本比率は21.1パーセントに達しましたが、これは、国際基準の約2倍半にあたります。

銀行部門は基盤もしっかりしており、「1995年アラブの大手100銀行」において、王国の銀行の4行がトップテンに選ばれました。

1999年のサウディアラビアの株式市場は、前会計年度と比較して好転しました。株価指数は1999年12月16日現在で、年度当初の1,413から1,974に上昇し、39.7パーセント増でした。

サウディアラビアの96の会社の株が市場で取引されていますが、外国投資家にもサウディ株式市場での取引が許可されています。

サウディアラビア株式市場における、1999年末時点の株価総額は392億リヤール、株式数は3億4,900万株でした。