皇太子・同妃両殿下(現天皇・皇后両陛下)の訪サ

明仁皇太子殿下(現天皇)とファハド皇太子殿下(現国王)(リヤード、1981年)(P.159-1)

1981年2月28日、当時皇太子、皇太子妃であられた現在の天皇、皇后両陛下はリヤード空港に到着し、日本の皇室として初めてサウディアラビア王国の土を踏まれた。そして、サウディアラビアの王室をはじめ一般国民から大歓迎を受けられた。

訪問に随行した外務省中近東第2課長、野口雅昭氏(現チュニジア大使)が記述したご訪問記(日・サ協会会報No.93より抜粋)からその歓迎の様子とご訪問がいかに日サ関係強化に有意義であったかが分かる。

今次皇太子殿下及び同妃殿下のサウディ御訪問は、我国皇室による初のサウディアラビア公式訪問として、日・サ両国間の友好関係増進の上で、極めて意義深いものでありました。滞在期間実質2日間という極めて短期間の御訪問ではありましたが、その間皇太子殿下にはハーリド国王以下ファハド皇太子を始めとするサウディ王室及び政府の要人と親しく交歓され、個人的にも親密な関係を打ち立てられたことは、今後の両国の親善関係に大きな意義を有するものと考えます。

当時ハーリド国王は砂漠に滞在中で、皇太子殿下一行は王室特別機にて砂漠のテントの中に国王を訪れましたが、国王の殿下に対するおもてなしには、極めて心のこもったものがありました。

また、ファハド皇太子も最初の公式晩餐会を主催されたのみならず2日目のサルマーン・リヤード州知事の晩餐会にも全く予定外で出席され、皇太子殿下と晩餐会の終わりまで親しく話しておられましたが、これは、両殿下を歓待したい、とのサウディ側の意向を象徴的に示したことと思われます。

サウディアラビアに於いては、風俗習慣の違いから美智子妃殿下には、皇太子殿下とは全く別のプログラムが用意されたところ、女性でない立場上かかるプログラムに立会うことは出来ませんでしたが、もれうかがうところに依れば、サウディ側の応接は極めて家庭的で、心のこもったものであった由であります。

転載:「アブドルアジーズ王の生涯」
日本サウディアラビア協会出版