皇太子・同妃両殿下の訪サ

1981年日本の皇室外交として初めて現在の天皇・皇后両陛下が訪サされて以来、約13年ぶりの1994年にその御子息であられる皇太子殿下と妃殿下が訪サされた。サウディ側はこのご訪問を国を挙げて歓迎し、日サ友好の絆は一層強化された。ご訪問に随行した外務省中近東第2課長奥田紀宏氏は、次掲の随行記を日本サウディアラビア協会報(No.175)に寄稿した。

アブドッラー皇太子殿下(右)とリヤード州知事・サルマーン殿下(左)が徳仁皇太子殿下ご夫妻をお見送りに(リヤード国際空港、1994年11月9日)(P.160-1)

皇太子同妃両殿下は、この度、アラブ湾岸諸国(GCC諸国)ご訪問の一環として、11月6日から9日までサウディアラビアをご訪問になりました。皇太子殿下はサウディアラビアご滞在中に、ファハド国王、アブドッラー皇太子その他サウディの王族及び政府の高官と親しく話を交わされ、両国の更なる友好親善関係の発展の実りを上げられました。

サウディアラビア側のご訪問に対する歓迎ぶりも誠に心のこもったものでした。日本出発の前には滞在3日目に予定されていた皇太子殿下のファハド国王への表敬がリヤードに到着してみたら、その日の夕方になっていたというハプニングはありましたが、これも遠来の賓客に対するサウディ風の配慮を示したものといえましょう。サウディ側は通常外国元首しか宿泊しない新迎賓館を両殿下に提供し、今回のご訪問に対する最大限の歓迎の意を表するとともに、わが国と関係の深いナーゼル石油大臣を接伴大臣に任命、同大臣は多忙の身にも拘わらず東部州のカフジ油田の視察も含めて3日間両殿下の案内係を務めました。又、サウード東部州副知事は、両殿下の為に砂漠の中にテントを用意し、サウディ色豊な羊とご飯のカプサの午餐会を催しましたが、両殿下とも大変楽しまれたご様子でした。

今回のご訪問には両殿下のご成婚以来初めての海外ご訪問というもう一つの意義があります。妃殿下も通常なかなか接触することのないサウディの王族の夫人の方々と積極的にお話を交わされ、親善を深められたことは、大変有意義なことだと思います。両殿下は、サウディ側の王族、要人との友好親善関係を深められるとともに、ご滞在を通じてサウディアラビアの歴史や自然に親しまれる機会を多く持たれました。

転載:「アブドルアジーズ王の生涯」
日本サウディアラビア協会出版